便秘の時に使うお薬(下剤)の種類について どうにかしたい!「お腹のトラブル」

便秘の時に使うお薬(下剤)の種類について

ひとつ前の記事では「下痢に時に使うお薬」について取り上げましたので、こちらの記事では「便秘の時に使用する下剤」についてご紹介してみたいと思います。

便秘対策薬の種類と効き方

  • 浸透圧性下剤・・・腸内に水分を取り込んで「動きの鈍った腸を動かしたり、便のカサを増やして柔らかくする」ことで便秘を解消させるお薬。
    継続して使用しても副作用は少ないが、効果が出るまである程度時間がかかってしまう(最低でも半日、2~3日後から効果を強く実感できるようになる)
  • 浸透圧性下剤には「塩類下剤」・「糖類下剤」・「膨張性下剤」・「浸潤性下剤」がある。
    塩類下剤…塩類(マグネシウムなど)によって腸の浸透圧を高めることで体の水分が腸に移動させるタイプのお薬。
    糖類下剤…腸では吸収されない糖類によって塩類下剤と同じような作用が起こるお薬だが、さらにガスを発生させることで腸を刺激してくれる。ただし便秘薬としてはあまりは使用されていない。
    膨張性下剤…お薬自体が水分を吸収して膨張して腸を刺激することで排便を促してくれる。
    浸潤性下剤…便に水分を染み込ませやすくしてくれるお薬。
  • 刺激性下剤・・・強制的に腸の動きを活発にさせるお薬。
    即効性はあるが副作用(薬が効きにくくなる・腹痛や下痢になる・腸の活動がさらに弱まる)があるために「長期の使用や決められた量以上服用する」ことは避ける
  • 刺激性下剤には「大腸刺激性下剤」・「自律神経系下剤」・「漢方薬」などがある。
    大腸刺激性下剤…名前のとおり、大腸を刺激して排便させるお薬。アントラキノン系の下剤は腸の蠕動運動を司る神経に作用して効果を発揮する。
    自律神経系下剤…アセチルコリンという神経伝達物質の量を増やすことで、自律神経に大きく左右される腸の動きを活発にさせる。
    漢方薬…生薬の作用で便秘を解消させるお薬。防風通聖散や大黄甘草湯などが有名
  • 下剤を使用すると便秘症状は一時的に解消はされる・・・のですが、どんな種類の下剤でも安易には使用せず、まずは「便秘解消のために日常生活を見直す」ことから始めてそれでもナカナカ効果が得られない場合に「まずは少量ずつ服用」して様子をみることが大切。

もう少し解説

便秘というものは「お腹のハリや不快感」ということだけでなく、腸内にとどまり続けた便が異常発酵することで「体臭が強くなる」とか「免疫力が落ちる」、「太りやすくなる」なんてことまで考えられるので・・・
お薬を使ってでもすぐに改善させたい!と感じていらっしゃる方もおられると思います。

一般的に「便秘解消のためのお薬(下剤)」には多きく分けて2種類あって・・・
上にも書きましたが、簡単に言ってしまえば「排便させやすい便を作る浸透圧性下剤」と「腸を動かして排便を促す刺激性下剤」の2つということになるんですよね。

そして・・・「刺激性下剤」は効果がすぐに出やすい反面、「強い腹痛」や「使っているうちに薬の効果が出にくくなる」、「便秘薬での排便に慣れてしまい、お薬なしでは排便ができなくなってしまう」なんてことも考えられるので、「ためしに便秘薬を使ってみたい」なんて人は浸透圧性下剤からの使用を強くオススメします。
(市販薬では「マグネシウムなどが入ったミルマグなどが有名」で、これらの下剤は刺激性下剤と比べれば副作用が少ないですからね♪)



ちなみに、浸透圧性下剤(塩類下剤)の仕組みについては・・・
私達がワザワザ服用する際に「腸では吸収できない塩類によって腸内の浸透圧を高めて便の水分量を増やしてウンヌン…」みたいな仕組みまで知る必要はないと個人的には感じていて・・・「マグネシウムが便を柔らかくしてくれる」というぐらいの感覚で覚えておくだけで良いとは思いますよ♪

・・・「浸透」という作用についても・・・
「(ナメクジに塩をかけたときのイメージで…) 濃度の低い液体は濃度が高い方に移動する」って感じの理解度で良いと思いますし…

なので、刺激性下剤の作用の仕組みについても「腸の動きを司る神経・自律神経に作用して腸の蠕動運動を促す…」ってことよりは「刺激性下剤は長期間服用せずに便秘が続いて苦しい時にピンポイントで使用するお薬」という風に覚えておきましょうね。

あと、刺激性下剤に分類されている「漢方薬」に関しては・・・
私達が馴染みのあるものとしては「ナイシトール」などのダイエットに関心がある方に定評のある市販のお薬に配合されている「防風通聖散」が有名ですよね。



ただ、市販の漢方薬が簡単に手の入るのは良いことですが・・・(どのお薬にも言えることとはいえ…)漢方薬は自分の体に合うかどうかの判断がなかなか難しい部分もあるため・・・
漢方薬に興味があるのならば「お医者さんに相談して自分の症状と体質によって判断してもらう」とか「とりあえず有名ドコロの市販の便秘解消漢方薬を少量ずついくつか試してみる」なんてことをしてみるのが大切ですよ。

最後に、便秘対策用のお薬についてここまで書いてきてなんですが・・・
「便秘薬はなるべく使わずに便秘体質を改善させる」ということが大前提でありますので、
☆「毎日決まった時間に排便する習慣をつける」
☆「水分や食物繊維・発酵食品を積極的に摂取する」
☆「湯船にゆっくりと入ったり、趣味を楽しむなどしてストレスを溜めない」
☆「ウォーキングやジョギングで腸を刺激する」
☆「腹筋運動をして便を押し出す筋肉を付ける」
などのことを便秘体質の方は下剤を試す前にはお忘れなく実践してくださいね♪


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